
~穏やかな毎日のためのヒント~
1. 心の平安とは何か?
心の平安とは、「心が静かで、揺れ動かない状態」のことを指します。
人生の中では、うれしいこともあれば、つらいこともあります。とくに高齢になると、家族との別れ、体の不調、生活の変化など、心がざわつく出来事が増えることもあります。
しかし、そんな中でも「落ち着いた心」を保つことができれば、どんな状況でも冷静に受け止められるようになります。
たとえば、
- 雨の日でも「今日は家でのんびり過ごそう」と思える
- 昔の失敗を思い出しても「今があるのはあの経験のおかげ」と思える
- 人の言葉に傷ついたときも「相手にも事情があったのかもしれない」と考えられる
これらはすべて、心の平安があるからこそできる「受け流す力」です。
2. なぜ心の平安が大切なのか?
高齢期は、人生の収穫期とも言える大切な時間です。しかし、体力や記憶力の低下、社会とのつながりの変化などによって、心が不安定になりやすい時期でもあります。
不安やストレスが続くと、
- 血圧が上がる
- 睡眠の質が悪くなる
- 認知機能が低下する
といった身体への影響も現れてきます。
逆に、心が穏やかでいると、
✔ 血流がよくなり体調も安定する
✔ 免疫力が高まり病気にかかりにくくなる
✔ 毎日を前向きに過ごせるようになる
という良い循環が生まれます。
つまり、心の平安は「健康の土台」であり、「幸せの入り口」なのです。
3. 心の平安を得るための方法
3-1. 毎日決まった習慣をつくる
心は「リズム」で安定します。たとえば、こんな1日を思い描いてみてください。
- 朝6時に起きて、ゆっくり白湯を飲む
- 7時に近所を軽く散歩する
- 9時に新聞を読みながらお茶を飲む
- 午後は手芸や趣味の時間
- 夜9時には布団に入って深呼吸
このような「毎日繰り返す流れ」は、心に安心感をもたらします。
特に、朝のスタートが整っていると、1日が自然と穏やかに流れやすくなります。
3-2. 深呼吸・マインドフルネス
心がざわついているとき、頭の中は「過去の後悔」や「未来の不安」でいっぱいになります。
そんなときこそ、「今ここ」に意識を向ける練習が大切です。
やり方(簡単なマインドフルネス呼吸法)
- 静かな場所に座る(椅子でもOK)
- 目を軽く閉じ、背筋を伸ばす
- 鼻からゆっくり息を吸う(3秒)
- 口からゆっくり息を吐く(5秒)
- 「今、息を吸っている」「今、吐いている」と心の中で言う
たった1〜2分でも、続けるうちに「心が今に戻る感覚」が育ってきます。
3-3. 誰かと話す
「ちょっと聞いてくれる?」「今日スーパーでね…」こんな何気ない会話が、心の緊張をほどいてくれます。
高齢になると人との交流が減り、孤独感が強まることがあります。
だからこそ、意識して「人とつながる時間」をつくりましょう。
- 地域のサロンに顔を出す
- 図書館や公民館のイベントに参加する
- 子や孫に「電話してみようか」と声をかける
会話の内容は大切ではありません。「話せる相手がいる」「聞いてくれる人がいる」それだけで、心は安心します。
3-4. 自分を責めない
「昔はできたのに…」「こんなことも忘れるなんて」そんなふうに自分に厳しくしていませんか?
年を重ねれば、できなくなることも増えます。けれど、それは自然なことであり、恥ずかしいことではありません。
できなくなったことよりも、「今できること」「まだ楽しめること」に目を向けてみましょう。
- 「料理は無理だけど、レシピを見るのは好き」
- 「歩くのがつらいけど、日向ぼっこは気持ちいい」
そして何より、「ここまで生きてきた自分」をねぎらってあげてください。あなたは十分に頑張ってきました。
3-5. 感謝を見つける
感謝の気持ちは、心に静けさを呼び込みます。しかも、それは「小さなこと」でかまいません。
- 朝日がきれいだった
- お茶が美味しかった
- 鳥の声が聞こえた
こうした小さな喜びに気づく練習をすると、心がだんだんと温かく、穏やかになっていきます。
毎晩寝る前に「今日ありがたかったことを3つ思い出す」だけでも効果があります。紙に書いても良いでしょう。
4. おわりに ~穏やかな心は人生の宝物~
年を重ねる今だからこそ、「心の平安」を大切にすることが、人生を豊かにするカギになります。
若いころのように急がなくてもいい。完璧でなくてもいい。
今ここにある小さな幸せを見つけながら、ゆったりと過ごす――
それこそが、人生の最終章を美しく彩る「心のあり方」ではないでしょうか。
どうか今日も、あなたの心が穏やかでありますように。